国立環境研究所 江守正多さんと考える!

今なら間に合う気候危機 ~国立環境研究所 江守正多さんと考える!~ 満席になりました

気候危機の時代
2019年イギリスの新聞社"ガーディアン"は「気候変動」という言葉をもう使わないという方針を打ち出しました。
おそらくこの言葉では深刻さが伝わらない、代わりに「気候危機」若しくは「気候崩壊」 という言葉を使うことになったとのことです。
さて、日本ではどうでしょうか?
毎年、命と生活を脅かすほどの災害に見舞われながら 「気候危機」に対する関心はまだ高いとは言えず、諸外国とは大きな温度差があるようですが、実際、気候危機に関する情報などは、国内のメデイア等からでは、得にくいという現実があり、私達は海外からの情報が、頼りになることも多いのです。

科学者がもっと身近に
もう一つの問題として、日本人は気候科学者の知見や情報に関心を持たないという兆候もあるようです。 (※1)しかし私達にとっては、気候科学者として第一人者である江守正多さんからの情報発信や各分野で配信されている論考などが、活動を継続するうえでの最も重要な指針となっています。
「気候非常事態宣言都市・藤沢」 に江守さんをお迎え出来る事は大変意義があります。
そして、お話を伺いながら気候危機をめぐる世代を超えた対話と「地球の危機」を乗り越えるためには「科学者の言葉に耳を傾け、科学がリードする社会の大変革」が必要であるという事を確認し、参加者と共に具体策を探りたいと思います。

(※1) 「世界経済フォーラム」(WEF)の調査によると「気候科学者を信頼している」割合は世界30か国中日本は28番目の低さ

◆ 日時 11月28日(日)14時~(13時半開場)◆ 会場 藤沢市民会館 第2展示ホール
◆ 参加費 一般:1,000円 小・中・高校生:500円 ※マスク着用でご参加下さい。

当日プログラム                            
司会進行:武本匡弘(NPO法人気候危機対策ネットワーク代表)
・ 報告:「海から見る気候危機」映像と解説(10分) 武本匡弘
・ ご講演:江守正多さんIPCCの最新報告等もしていただきます(60分)
・ 質問と対話:出来るだけ多くの参加者と共に考えましょう! (40分)

主催:湘南のなぎさを守る藤沢市民の会 共催:NPO法人気候危機対策ネットワーク・エコストアパパラギ後援: 藤沢市・藤沢市教育員会 協賛: 藤沢エコネット・環境活動家チーム湘南

お申込:0466-50-0117(エコストアパパラギ) 又は kikoukiki@eco-papa.com まで

私達は科学者と共にあれ! 国立環境研究所 江守正多さん (文責武本 匡弘)

私がこの2年あまり継続開催している「ネイチャーセミナー」における参加者からの声として最も多いのが「環境問題に関しての人々の関心の度合いに、何故こんなにも温度差があるのか?」
というもので、時には悲痛さも漂うほどです。

環境活動をしている人、団体、組織等では、皆同じ課題を抱えていると思いますし、無力感からあきらめに走るか? 人によってはひたすら個人の"がまん"に近いようなストイックなほどの行動で"自分は応分の負担をした"と満足してしまうという様なこともあるのではないでしょうか?

しかし"待ったなし"の状況下にある気候危機対策に対して、私たち市民は、「いかに効果的な行動の選択をすべきか?」という事を考える必要があると思います。そんな国内の状況の中、江守さんから学ぶことはあまりにも大きい!
気候科学者としての科学的知見から学ぶべきことが貴重であることはもちろんのこと、私達環境活動家が気候危機に立ち向かうための「行動の指針」となる様な数多くのメッセージを発信されているのです。

江守さんの数ある論説の中で、無関心になる人の心理的要因としての「負担意識」についての仮説があり、これは環境活動を行う上での「社会科学リテラシー」といっても良いものです。

つまり、気候危機に立ち向かう活動も、個人の生活様式の改革も、一人一人が自ら変わっていくということは考えにくく、近代における社会変革の歴史をみても、「人は自ら変わりにくいものであり、社会が人を変えてきた」と言ってもいいのではないか?という事なのです。
それは、言い換えれば、環境活動やエコ生活も「我慢は続かない」という事ではないだろうか?

この「負担意識」に関することも含めた論説は、環境情報科学に関する学術論文等を掲載している「環境情報科学」(2020年49巻2号)に掲載されています。
またYahooニュースにも 「なぜ日本人は気候変動問題に無関心なのか?」 というタイトルで公開されていますので、是非多くの人に読んでいただきたいと思います。(目からウロコ…の人続出に間違いありません!)

さて、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」(WEF)が気候科学への信頼度について、世界30カ国で調査した結果を発表しました。

科学者の発言や研究成果などについて、信頼していると答えた人は、日本では25%、日本以外の29ヶ国平均では6割を大きく超えています。
これは、EU諸国などに比べて日本は、数十年(?)は遅れているといわれる教育の差だろう…そんな結論になりつつも、“もしかしたら科学者の存在が身近でない"という事も大きいのではないかと思うのです。

そこで、日本では科学というものが身近であるか?ということを考えてみました。
答えは、限りなくNOであると思います。一つの例として「学術会議会員任命拒否」問題などは、その象徴ではないかと感じます。つまり、政治家が政権に従わせるようとして科学者と科学そのものを冒涜するような国では、あまりにもこの国の未来は危うい!
そういう状況を踏まえ、江守さんの科学者としてのメッセージを拝誦すると「科学とはそもそも市民に寄り添ったものであり、市民は常に科学と共にあれ!」というメッセージが聞こえてきます。

だから私の持論は、「科学者がリーダーシップをとる国が地球を救う!」なのです。
今度江守さんにも聞いてみたいと思います。

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