日本画家 山内若菜さんとのコラボ
気候正義 ~生物多様性への思い~
山内若菜・武本匡弘 命・地球・平和を語る 9月25日(土)14時 藤沢市民会館
絵描きはコロナ禍の中、何ができるか。
不要不急ではないのか?いやコロナ禍だからこそ市民が未来へつなぎたい表現の共有が必要なのではないのか?
言語を超えて絵で繋ぎ合える「命は地球なみに大きい、ひとも全ての生物も」…山内
海は自分にとって命そのもの、だから海を守るという事は自分の命を守ること…武本
アートの影響力は無限!アーテイストのチカラが欲しい!
すでに地球という惑星の限界を超えつつある危機的な気候変動に対して、一人の力では、とても太刀打ち出来る問題ではない事は、解っています。
様々な分野で活躍する人たちや市民グループ、団体、NGO等と整合性を求め合い、連帯することは、大変重要であり、活動する上での大きな喜びでもあるのです。
そして私は様々な分野で活躍される多くのアーテイストの力を借りる事が出来たらどんなに力強いだろう…と常々考えていました。
これまで、写真家・映画・映画製作者・ミュージシャン・舞台芸術家や俳優たち協同の活動をしてきました。
そして今回初めて素晴らしい日本画家と出会い、この企画が実現いたしました。
サンゴの白化は生物多様性の崩壊の始まり (武本)
1998年ごろから地球規模で広がったサンゴの白化はただ単にサンゴの消失にとどまらず、サンゴと共に共生している生き物たちが生きられないことを意味します。
サンゴの警告
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の観測によると、約150年前の観測 開始の頃から2010年までの間では、2010年が最も暖かい年にあたり、2001 年から2010年までの10年間は最も暑かった10年とされています。
世界中に広がった「サンゴの大白化」これは人の目に触れにくい海の中からの"サンゴの悲鳴・警告"だったのです。瓦礫化したサンゴの墓場では生物が棲むための環境が消滅してしまう事を意味します。
サンゴの消失は「生物多様性の消失」そのもの。
やがてそこを棲み処にしていた魚たちは死滅していく運命となるのです。
そして、2010年は1998年前後に続き2回目の地球規模で大規模白化現象が起きました。
今つくづく思うのは、あの時もっと騒ぐべきだった、サンゴの悲鳴は地球の危機に対する警告だったのだ、と。
絵描きは大騒ぎして人に知らせる事が出来る!(山内)
コロナ禍で様々なことが見過ごされがちですが、絵描きは消えようとしている炎に手をかざすことができます。自分は、自分の目を通した世界を、例えば福島第一原子力発電所の事故を伴う東日本大震災は、まだ終わっていないと大騒ぎする事ができます。藤沢市民会館の展示場にて(今回と同じ会場です)
私は2013年から福島の牧場に通い絵を描いてきました。
被ばくして殺処分を命じられた馬の牧場主は、「動物は物じゃない家族なんだ!」と声を上げていました。
この牧場ペガサス編というタイトルの絵は
事故により黒い放射能が落ちてくると言うシーンがあり、そして足がガクガクして食べれなくなって死んでいく様子、牧場では、馬が42頭、変死しました。絵は声をあげる牧場主からペガサスが出ていると言うシーンです。誰かの影に見えると言われました。
サンゴの海は様々な生物が暮らす楽園だった…。
ヒト以外の全ての生物の命への軽視が招いた結果と言えるパンデミック。
しかし、パンデミックは海の中でも起きている、サンゴをはじめとする甲殻類などへのウイルスの感染も又海の生物多様性を崩壊させている。
人間中心主義が招いたこの災禍は今に始まったことではない。
確かに今はまだコロナ感染への細心の注意が必要ではあるが「コロナ後」を考える時、この"人間中心主義"からの脱却、全ての生物の命の尊さを改めて考えたい。
生物多様性への思いからつながる事、気候正義など、
このコラボで私の絵から「牧場」を違う角度から見ることが出来る。
私も最近武本さんのお話により、地球の野生動物と家畜のアンバランスな数、総重量比率は、コロナウイルスにも深く関係していると知り、衝撃を受けました…と若菜さんは言います。(丸木美術館の個展の様子)
若菜さんとこのコラボ講演に向けてお互いのこれまでの経験について語り合いました。
そして共通する思いは「命の重さ」それも決して人間だけではないという確信が、これまでの強烈な体験と目撃した現実の中でお互い増幅しているように思います。
そして大きな共通点はあの東日本大震災
海が大勢の人たちを飲み込んだあの悲劇は自分にとって大きな転機となりました。
海に生きて来た者としてあのインパクトはあまりにも強かった。
一人の環境活動家としてして組織を離れ次の人生を考えるきっかけでもありました。
それから2年後、何度か福島をはじめ被災地を訪れる中で次の人生の選択を決断、間違いなくあの震災がなかったら今でもダイビング会社の経営者として仕事をしていたことは間違いありません。2012年撮影双葉町にて
そして若菜さんも3.11の後、福島の牧場を取材。
浪江の牧場や馬が変死した牧場を特に取材し、「動物はものじゃない、家族なんだ」という牧場主の叫びを聞きました。
そしてこれがきっかけになり中学校で芸術鑑賞授業と講演会を開催するようになり、国内外各地での個展をはじめ様々な形での展示を通して人との繋がりを作っています。
今年、埼玉の「丸木美術館」での個展の後、藤沢で行われた展示会では、多くの藤沢市民の「若菜さんの絵を地元藤沢で観たい・観せたい!」という想いから実行委員会の人たちの主催で実現しました。
山内若菜さん
1999年武蔵野美術大学短期大学部専攻科美術専攻修了。
2009年よりロシアで「シベリア抑留」を忘れない文化交流を開始。以後、日露友好のための個展を継続。
2017年にロシア国立極東美術館で個展を開催。
2011年より岩手、福島でのフィールドワークを重ね、
福島の母や場を描いた展示を各地で開催。
2016年・2021年原爆の図 丸木美術館で個展。
2021年 第8回日経日本画大賞展入選。
ロシア国立極東美術館に作品収蔵。
下記の展示会場で三部作を展示予定。
「けずる絵、ひっかく絵」 平塚市美術館
22年4/9日(土)~6/12日(日)
9月25日(土)14時 藤沢市民会館 第一展示ホール
参加費一般1,000円(小中高700円)
密回避のため天井の高い広い会場で定員250名の約三分の一の縮小定員で開催します。
※満員が予想されますので必ずご予約下さい。
お申し込みは kikoukiki(@)eco-papa.com 又は0466-50-0117 エコストアパパラギ
主催: NPO法人 気候危機対策ネットワーク
後援: エコストアパパラギ ・ 湘南のなぎさを守る藤沢市民の会
人間中心主義からの脱却UNEP(国際連合環境計画
プラネタリーバウンダリー(惑星の限界)の概念
生物多様性・生態系機能の消失が激しいという事が解る
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