エコパパは何故ワーカーズコープなの?

共同組合での運営=エコストアパパラギの挑戦!

私はプロダイバーとして40数年間、水中世界を中心に海と向き合ってきましたが、海洋 環境の劇的な変容は留まることがありません。
そして、海はゴミだらけ目に見えにくい海洋プラスチックは信じられないほどの総量に膨れ上がり、まるで地球の海は「プラスチックスープの海」になっています
しかし、これは海だけでの問題では決してない、陸での基本的な生活から見直さなければ!
そんな強い思いから、使い捨て消費をやめ、プラスチックに囲まれた生活を見直し、人と地球に少しでも負荷をかけないライフスタイルを提言したいと考え、「エコストアパパラギプロジェクト」を立ち上げました。
これはプラスチックの問題も地球温暖化の問題も根っこは同じであり"気候危機に立ち向かう"ための行動なのです。
 (写真)太平洋航海中でのマイクロプラスチック採取実験

ストアのミッションは「社会改革」であり、スローガンは「生活者が社会を変え、地球を救う!」というものです。
私たちはこの事業に対して社会性の高い公益性を持った事業であると考えていますが、一般的な見方はやはり「商売」または新しい形態のビジネスと言うようなものです。
しかし、そのようなイメージを払しょくしたいという思い、更には利益や数字に追われるような事業では公益性が保てないと認識しています。
ですからこのストアの事業形態は通常の株式会社の様な法人事業ではなく、「協同組合」と言うのが絶対条件でもありました。

協同組合とは

同じ志を持って現在の社会が抱える問題、気候危機・過剰消費社会・プラスチック問題等々への解決を目指し、そのための実践を行っていくということへの賛同者、一緒に働く仲間となるべく目的を持った 人の協同事業です。
そして何より今と未来を危うくしている元凶は、資本主義経済システム・競争原理に基づいた経済活動にあるという見極めのうえでの「新しい働き方」への挑戦です
言い換えれば、私達の未来は市民、生活者、働く人たちが主役となり協同して社会変革をして行けるかどうかにかかっているという認識がここで働いている人たちに必要なのです。
そもそも協同組合とは何か?少々難しい話になるのかもしれませんが、実は日本人の多くが中学校の歴史の教科書で習っている事でもあります。

  • 産業革命がきっかけ

協同組合の歴史は19世紀のイギリスにさかのぼります。
イギリスでは世界に先駆けて産業革命がおこり、工業技術や生産などは飛躍的に拡大しました。 しかし一方で、工場で働く人々は低賃金・長時間労働を強いられ、更には混ぜ物の入った商品や目方の 足りない商品を高い価格で売り付けられるなど悲惨な生活を強いられていました。
そんな生活に耐えかねた人々の間でお互いに自分の生活を守ろうという協同組合運動が起きました 今から170年以上も前のことです。

  • ロッチデール公正開拓者組合

1844年イギリスの工業都市マンチェスターのロッチデールという町で28人の労働者が、自らの手でより 良い社会を生み出そうと「ロッチデール公正開拓者組合」を設立しました。 彼らは出資金を積み上げ倉庫の1階に最初の生活必需品の店を開きます。
この時売り場に並んだのは小麦粉、バター、砂糖、オートミールの4品だけでした。 労働者を強欲的に搾取する側は、更に生活必需品の販売で粗悪でごまかしのある商品などによって働く者からの2重の搾取を行っていたといえるのです。
そのような状況からの脱却といえるこの運動が後の生協運動の原点となったのです。

③ 日本国内での歴史

その後日本では1921年に現在の神戸市におけるコープの前身となる消費者組合などが設立され今日までの生協活動 につながっています、つまり日本においても100年ほどの歴史があるのです。
協同組合法の歴史は古く日本では以下の様な事例があります。

1947年 農業協同組合法
1948年 消費生活協同組合法・水産業協同組合法
1949年 中小企業等協同組合法
1951年 信用金庫法
1953年 労働金庫法
1978年 森林組合法

  • 何故株式会社のような一般の企業ではいけないのか?

先ず、ミッションそのものが営利を目的にしていないという事が第一の理由です。
また、イギリスにおける協同組合の誕生期の理念はより良い商品を公正な取引によって供給するという事にあります。

しかし、利益優先型の経営ではそもそもの理念を維持することは困難ですし、現在の環境破壊を繰り返しながら肥大化する資本主義経済のシステムと自然環境の保護や共存とでは基本的に矛盾するという事も大きな理由でもあります。
つまり、気候危機を引き起こした要因は行き過ぎた経済活動である限り新しい運営 の仕組みでなければ大きな矛盾になり得るという事なのです。
(写真)民主的な運営のために頻繁なミーテイング委や学習会が欠かせません

  • 協同労働という働き方

協同とは「力を合わせ、助け合い、支えあって共に働くこと」です。
協同労働とは、働く人たちが出資をして組合員となり、経営に携わって組織を運営していく働き方のことを指します。
運営を継続するには収益を生み出していかなければなりませんが、営利を目的とはしていません。
ワーカーズコープという呼び方を耳にしたことがある方も多いでしょう。
ワーカーズコープ=労働者協同組合であり、協同組合の一種です。
各地域で活動するワーカーズコープは、協同労働という形態で運営されています
(写真)ワーカーズの皆さんと

協同労働では一人ひとりが経営について学び、経営方針、収支計画、事業の目標を出資者全員で話し合い決定します。
記録や報告、共有、議論、学習会など、常に運営とのかかわりを持ちます。 (写真)経理、管理等もすべて自分たちで、

問題が起こってもトップダウン形式や誰かの責任によって解決するのではなく、働く人たちが対話を重ね、どこかで接点を見つけたり、自発的に考え決定していきます。

2022年10月1日には「労働者協同組合法」が施行されました。
これまでは、この法律がなかったために、ワーカーズコープや生活協同組合などの協同労働団体は、企業組合やNPOの法人格を主に活用して事業を運営してきました。
エコストアパパラギも同様です。
しかし法律の施行によって、公益性の高い事業を行う団体にも適した法人格を得ることができたり、さらに働きやすい環境をつくったり、協同労働団体が社会に正しく認識されるようになることなどが期待されます。
(写真) 商品開発や研究等も欠かせません。

  • なぜ「労働者協同組合」なのか

日本では、地域の食や福祉、教育などをテーマにしている協同組合は多数ありますが、エコストアパパラギのようなプラスチックフリー、ゼロウェイストを提唱するストア型の協同組合は前例がありません。

それはやはり、個人でも団体でもプラスチックフリー、ゼロウェイストを実践することが極めて困難だからだと考えられます

しかし、だからこそエコストアパパラギを協同組合で運営したかったのです。
気候危機を引き起こした元凶は過剰消費社会及び資本主義経済システム、競争原理に基づいた経済活動にあるというにあると言えるため、それらから脱却する必要があるためです。
利益優先型の経営ではエコストアパパラギの理念を維持しミッションを行うことが困難なのです。さらに、環境破壊を繰り返しながら肥大化する現在の資本主義経済のシステムと、自然環境の保護や自然と共存することは矛盾しています。
営利目的ではない協同組合としての運営自体が「社会運動」のひとつでもあります。

この形態のストアが増えていくためにも、運営を継続し、同じ志を持つ人人々にノウハウを伝えていく日が来ることに希望を抱いています。